Tacae Nakagawa

Professional Singer

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音だますいっち Vol.14

中川貴恵  コロナウイルスの影響で卒業生だけの卒業式を行ったり、いろいろな方面で無観客での開催が続いています。競馬に始まり、相撲、野球、などのスポーツ観戦。テレビのバラエティ番組やライブ、コンサート…ファッションショーなども無観客で開催されました。

 先日、野球の試合をした選手のコメントが載ったものを読みました。普段は歓声で聞こえないプレー中の掛け声がよく聞こえたり、場内アナウンスの声がとても大きかったことに驚いたりしたそうです。  

 私はつい、自分のコンサートに置き換えて考えてしまいます。無観客でコンサートを行ったらどうだろう?  

 コンサートは、演奏者と聴いてくださる方との氣の交流でもあり、その場の雰囲気も演奏に大きく関わってきます。ですから、聴いていてくださる方々の表情が見えないと、とても不安なものです。  

 実は、去年の暮れに「真氣光メンバーズの集い」前の15分間で歌わせていただいたことが、良い経験となりました。全国のセンターへ発信とのことで、初めてカメラ前で歌ったのです。カメラを前にして、声をどこへ運べばよいのだろう?聴いている皆様はどう感じているだろう?ということを考えて、最初は少し戸惑いました。そのうちに、各センターで聴いてくださっている皆様のことを想像しながら、気持ちを向けて歌うことに集中できるようになりました。  

中川貴恵 遠く離れたところでも聴いてくださるということにも有り難い気持ちでいっぱいでしたが、この経験で、温かく見守ってくださる方々の目の前で、氣の交流をしながら歌えるということは、幸せな事だと身に染みて感じました。  

 スポーツ選手も、歓声の中では普段よりもっと力が出せるということもあるでしょう。歌もそうです。「自分のプレーをするだけ。」かも知れませんが、観てくださる方々の温かな氣の中でこそ、もっと輝けるのだと思います。  

 今はただ、早く日常の生活に戻れるよう、祈るばかりです。