何事も続けることが大切です。 特に氣功は継続しないことには 意味がありません。一週間やって 病気が治るような効果が出るも のではありません。
私はほぼ毎朝、太極拳をして います。たった一回、時間にすれ ば10 分くらいのものです。もう40 年近く続けています。どんな ところにどのような効果があっ たかを説明することはできませ んが、私の生命場を高めるには 大いに役立ってくれていると思 います。延命十句観音経という 短いお経も、1日1回、ほんの1 分ほどで唱え終わりますが、こ れも 20 年以上続けています。
氣功を続けていてプラスにな ると思えるのは、たとえ週に1 回しかやらなくても、長く続け ていると、からだが氣功の動き を覚えることです。歩いている ときも、仕事をしているときも、 お風呂へ入っているときも、食事 をしているときも、一つひとつの 動作が氣功的になるのです。呼 吸のリズム、それに合わせたか らだの動き、普通に生活してい るのに、それが氣功になっている ことがあります。
ですから、氣功をやるときに は、あまりストイックにならず に、遊び心をもって、大いに喜び を感じながら行うといいでしょ う。毎日やらないといけないと 思うと、なかなか続きません。1 週間に1度であっても、 10 年た てば 10 年の氣功、 20 年たてば 20 年の氣功になります。
ウイスキーも熟成するには一 定期間寝かせる必要がありま す。ただがむしゃらにやるのでは なく、何もしないで放置するこ とも上達の秘訣です。そういう つもりで懐を深くしてやってい くことが望ましいと、私は考え ています。
中にはまなじりを決して氣功 に集中することで難病を克服し た人もいます。郭かく林りん新気功とい う歩く氣功があります。中国の 郭林さんという女性が自分のが んを克服するために考え出し、 実際にこの氣功を続けることで 元気になったこともあって、がん の患者さんにはとても人気があ ります。私の知り合いが北京で がんの患者さんにこの氣功を指 導しているのですが、1日に6 時間もすると聞いてびっくりし ました。私などは、そんなに長く やらなければならないと聞くだ けでストレスを感じてしまいま す。人それぞれです。長時間の氣 功ができる人はやってみるのも いいのではないでしょうか。
岡山県に郭林新気功でがんを克服したツワモノがいます。私はこれまでたくさんの氣功の達人を見てきましたが、彼の氣功もすばらしいものでした。がんになったときに1日に10時間もやったおかげだと笑っていました。1日のほぼ半分を氣功に当てたというのですから驚きです。
彼は下咽頭がんでした。手術を受ける決心をしましたが、食べられなくなったり、話せなくなる後遺症もあると聞いてショックを受けました。とにかく手術のダメージを最小限に抑えようと、手術前に徹底的にからだを鍛えたそうです。
まずは、入院した病院の階段を何度も走って上ったり下ったりしました。足腰を鍛えようといういうわけです。さらに、免疫力を高めるために、サプリメントを通常の3倍飲みました。そうやって手術に備え、術後はダメージから少しでも早く回復できるようにと郭林新気功を集中してやりました。
そうした努力の甲斐があって、手術はうまくいきましたし、ほとんど後遺症もなく普通に食べたり話せたりするようになりました。ゆっくりがいいのか、集中してやるのがいいのか、自分の性格も考えながら取り組み方を考えてみるといいのではないでしょうか。