テレビをつければ新型コロナウイルスの話題ばかりでうんざりしますが、これだけ社会を激動させているのですから致し方ないのかもしれません。
ワクチンが開発されているというニュースもあります。ワクチンは有効な手段ではありますが、私はワクチンばかりに期待するのではなく、漢方薬なども上手に使えばいいと思います。
アメリカやヨーロッパ、南米に比べると、日本は感染者、重症者ともに少なく、中国や韓国、東南アジアでも、その傾向はあります。
その理由はわかりませんが、BCGの接種をしているからだという説もあります。東洋ではBCGが義務化されているところが多く、西洋では義務化されていないのは事実なので、その可能性はあると思います。
BCGは結核菌を弱毒化したワクチンのことで、免疫力を高める作用があります。免疫力には自然免疫と獲得免疫があります。体内に異物が侵入すると自然免疫が働きます。自然免疫だけで対処できないときには獲得免疫が働き、抗体を作るなどして、より強力に異物を排除します。BCGを打てば自然免疫が高まります。ウイルスに対する最前線の防御を強くするのです。BCGがどれほどの効力を示しているかはわかりませんが、免疫力が新型コロナウイルス対策の鍵を握っているのは間違いのないことだと、私は思っています。
免疫力を高める方法はワクチンだけではありません。私は漢方薬はとても有効だろうと考えています。
中国には、2000年ほど前に、という医者が「」という漢方医学書を残しました。張仲景の一族が熱性の病気で次々と亡くなりました。彼は、古い文献を集めてどうすれば治るのかを研究しました。それをまとめたのが「傷寒論」で、長い間、中国医学の中核となっている書物です。
「傷寒論」の傷寒というのは熱性の急性病ということです。つまりは新型コロナウイルスのことでもあります。2000年も前からウイルスによる病気はあって、多くの人が治療法を模索してきました。その基礎が傷寒論には出ています。
中国は感染者を抑えることができていますが、傷寒論をもとに漢方薬で対処したようです。古典に新しい処方をプラスして
新型コロナウイルスに対処したのです。
。葛根湯(かっこんとう)や麻黄湯(まおうとう )、小青(しょうせい)、竜湯(りゅうとう)など、免疫力を上げるにはとても有効な漢方薬はいくらでもあります。
もちろん、集中治療室で呼吸器を付けないといけないような重症の人に使えとは言いません。症状のない人、軽い症状の人に使うようにすれば、治療の幅がもっと広がると思うのです。