Tacae Nakagawa

Professional Singer

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音だますいっち Vol.4

中川貴恵 音楽を聴いて感動する時というのは、人それぞれにポイントみたいなツボがありますね。 その一つに、思い出がその曲に重なるという事があると思います。  音楽には楽しい感じの調べ(長調)と悲しい感じの調べ(短調)がありますが、短調の曲が必ずしも涙をそそるものでもありません。悲しい感じの曲でも、その曲に楽しい思い出が重なれば、聴いて懐かしいと感じたり、楽しくなります。逆に、長調の曲であっても、悲しい思い出が重なれば辛くなったり、涙が出たりするでしょう。    

中川貴恵 私は「涙くん さよなら 」という歌を聴くと、余計に涙が出てしまいます。幼い時泣き虫だった私に、よく父が歌ってくれた歌でしたが、その歌を聴いてもっと泣き出してしまい、父が困ったように笑っていた事を思い出します。曲調としては明るい長調の曲ですが、当時は「さよなら」という言葉が悲しく感じ、余計に涙を引き出していた事を覚えています。今でもその時の気持ちが蘇り、更には、亡き父と昔の思い出とを重ねて目頭が熱くなります。   

 逆に「学生時代」(年代の割に古い歌ですが)を聴いたり歌ったりすると、心が踊り出します。短調の曲ですが、テンポがいいのと、昔テレビの懐メロを観て喜んでいた母の姿が、楽しい思い出として残っているからでしょう。「蔦の絡まるチャペルで」という歌詞も子供心に、なんだかカッコいいと思った事も理由だと思います。   

 皆さんにも昔の思い出が結びつく一曲があると思います。その曲を聴いて涙したり、ウキウキしたり。 思い出を辿って、ぜひその曲を聴いたり歌ってみてください。昔を思い出すという事は、それだけで若返りの効果があると言われていますし、またその曲を通して、新たな発見があるかも知れません。

次回は7月6日(土) 11:00~12:00