かれこれ15年程前になりますが、「海子歌」というCDを作りました。月日が経ち過ぎて忘れていましたが、最近になってダンボール1箱出てきたのです。 欲しいという知人に渡したところ、私の前でCDをかけ始めたので、久しぶりに15年前の自分の声を聴きました。
このCDを買ってくださった方々には申し訳ないのですが、自分では聴けば聴く程ダメ出しが出ます。
聴いていた知人が、ふと、「綺麗な声だねー、やっぱり上手だよ。でも、こんなに朗々と子守唄を歌われたら子供も眠れないねぇ。」と笑いながら言いました。 そうなんです。それは重要なことです。
ちゃんと声を響かせて歌わなければ会場の後ろまで届かない。だけど優しく歌わなければ子守唄にならない。それにはやはり、テクニックも必要ですね。悩むところです。ですが当時、「子供ができたら子守唄を作りたい。」という願いがあり、「母が子に聴かせるような優しい歌を歌う」という私の目標もあったので、この様なCDにさせていただいたのです。当時の私には少し背伸びをしたかな、とも思います。今でも満足できる歌が歌えているとは思えませんが、15年前よりは人間的にも成長しているはずですので、昔よりも今の方がいいものができるのではないか、とも思いました。
そもそも私が「母が子に聴かせるような優しい歌を歌う。」と目標に決めたのは25歳の時でした。友人のお母様は音大の先輩にあたるのですが、そのお母様の歌を聴いたのがキッカケです。なんとも温かい、安定感と優しさ、包容力を歌声から感じたのです。「あー、こんな風に歌えたらいいな」と思ったのが始まりでした。
人との会話では、話の内容から相手の方の考え、性格がなんとなくわかるものですが、歌を聴いても同じように伝わる部分は多いのです。時に、それ以上の何かを感じる事もあります。これが氣なのだと思います。
歌は音楽に言葉が付いていますので、日頃から嫌なこと、マイナスな事はなるべく言わないよう心がけています。言ってしまうと、歌った時に聴いている方へ悪い氣がいってしまうように思うのです。
健康である事もそうですね。良い心、体の状態で、良い氣が出るように歌うのが私のするべき事かなと、昔の自分の声を聴いて再確認しました。
そして今回、CDを聴いて一番癒されたものは、歌と共に収録されている当時1歳半だった次男の声でした!子供の声も元気をくれますね。