皆さん、年末に紅白歌合戦をご覧になりましたか?今回の紅白で話題になっていたのが、故・美空ひばりさんによる「あれから」という曲でした。初のAIを駆使した音と映像ということで、世界中から注目されていました。
作詞は秋元康さん、衣装は森英恵さん、振付は天童よしみさんがモデルになったとか。
歌声は初音ミクを生み出したヤマハの「ボーカロイド」により、生前のひばりさんの声を取り入れ、歌い方の特徴、息の吸い方まで研究されて出来ました。
AIって所詮コンピュータですから、心の通った歌にはならないのでは?と、さほど期待もしていませんでした。聴くまでは「そこに愛はあるんか?」と思っていました。
ところが!紅白の美空ひばりさんの歌を聴いて、泣きました。何だかとっても心が温かくなったのです。歌の途中で出てくるセリフもまた、いいのです。
なんでしょう?AIに心を動かされた理由は何なのでしょう?
冷静に分析すると、まず、歌詞です。秋元康さんは、ひばりさんの最後の歌「川の流れのように」の作詞をしました。31年の時を経て、秋元さんの頭には、ひばりさんが蘇り、ひばりさんならこんな歌を歌う、というピッタリな歌詞が生まれたのでしょう。
第二に、ひばりさんの歌を望んだ人々の想いがあると思います。それは、制作した方々にも、聴き手にも生まれる想い=「氣」ではないかと。
私もまた、そのうちの一人で、ひばりさんの歌を楽しみにしていたのです。
しかし、ひばりさんが、もしもまだ生きていらしてこの歌を歌ったのなら、も
っと素敵に歌われていたかもしれません。天国から「もっと私の歌はいいわよ」と苦笑いされてるかもしれませんね。AIだから、という思いを抜きには聴けなかったのかもしれません。そういう意味では、美空ひばりさんと、AI美空ひばりさんとは別人として捉えるべきで、今回もAIなのに心が温かくなった…と言うべきなのかもしれません。
何にせよ、AIであんなにいい歌ができるのですから、私達もうかうかしてはいられませんね。生きているー!と実感できる歌、心のこもった歌をお届けしなければ、とあらためて心に刻みました。