Tacae Nakagawa

Professional Singer

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音だますいっち Vol.15

 私の好きな曲の一つに、J.S.バッハ作曲「G線上のアリア」があります。この曲はもともと「管弦楽組曲第三番ニ長調」の第二曲目「アリア」(1720年頃の作品)を、今から120年程前にバイオリニストのヴイルへルミが、ピアノ伴奏付きに編曲したものです。

中川貴恵 バイオリンには4本の弦が張ってあり、上から順にE音(ミ)、A音(ラ)、D音(レ)、G音(ソ)に調弦して演奏します。題名の「G線上」というのは、このバイオリンの一番下の弦(G線)から由来されています。編曲したヴイルへルミは、この「アリア」をG線のみで演奏できたと言います。そこから、この曲名が通称「G線上のアリア」となったそうです。普通は「G(ジー)せんじょうのアリア」と読みますが、音楽用語としてはドイツ語を用いる事が多いので、本当なら「G(ゲー)せんじょうの…」と言うところでしょう。

 この曲を最初に聴いたのは、小4の時でした。小学校の卒業式で、卒業証書授与の時に流れた曲でした。「なんて綺麗なメロディーだろう。」と幼心に感動した記憶があります。

 次の年も、卒業式にこの曲が聴けるのを楽しみにしていました。とうとう自分が卒業証書をいただく時には、この曲に合わせて体育館の舞台に上がり、何とも言えない充実感で「成し遂た!」という気分でした。しかし、この曲の名前を知ったのは、しばらく後の事です。中3になり、音大付属高校入試の勉強をしていた時に、初めてこの曲の名前と由来を知ったのです。

 ところで、α波の効果については、皆さん、ご存知だと思います。脳にα波が出た状態になると、緊張が緩んでリラックスしたり、ストレスを抑えることができたり、脳を活性化させる効果もあるのだとか。さらに、最近では自律神経のバランスを取る効果があることもわかり、免疫力を高める事にもつながるのでは?と言われています。

 このα波が出やすい曲といえば、モーツァルトの曲が有名です。そして、この「G線上のアリア」もまた、α波の出やすい曲として有名です。クラッシック音楽は嫌い、ロックやヘビメタの方が好き、という方はクラッシックよりも好きな曲をお聴きになった方がα波は出るように思います。

 外出自粛が続いている今、「おうち時間」を楽しむために、音楽鑑賞をされてはいかがでしょう?好きな音楽と、音氣と、そして宜しければ私のオススメ「G線上のアリア」をお聴きになってみてください。