「音だまスイッチ」のもとを辿ると、2人の恩師の教えにありました。
小4〜小6の3年間お世話になった担任のT先生。小6のある日、T先生は仰いました。「先生は自分を俳優だと思っている。家に帰れば父母の子供。結婚すれば夫の役。 今は先生という役を演じている。」
なるほどな、と思った反面、「演じているなら、先生は私達と本心で接してないの?」などと反発心を持った覚えもありますが、今ではT先生の仰られた事は理解できます。そして、この事を私流の言い方に置き換えて『スイッチ』という言葉で活用しています。
高2の時に担任でいらしたN先生。大学時代に早大の演劇部に在籍していらしたN先生には、私が立ち上げた演劇同好会の顧問をしていただき、演劇の基礎である声の出し方、そして役への切り替え方を教えていただきました。特に役への切り替え方法として教えてくださったことは、今でも私の基礎となっています。
それは、“トン・トン・パッ” のリズムに合わせて三回その場で軽く飛ぶのですが、最初の“トン・トン”で力を抜き、三回目の“パッ”で着地した時には、もう役に入りきるという方法。そのうち慣れてくれば“パッ”だけで役を次々に変えられる、そんな練習もしました。
T先生、N先生から学んだ事が、「自分のスイッチ次第で、多様な事一つ一つを懸命に楽しくできる。」という私流の考え方になりました。そして、「音だまスイッチ」という言葉が生まれたのです。「声を切り替える事で、自分のスイッチを入れる」というもの。「よし!」「はい!」「どっこいしょ!」何かをしようとした時に出る掛け声も、スイッチになりますね。
掛け声と言えば、先日、めまいが酷く、動けなくなりました。中川会長にもセッションをしていただき随分良くなりましたが、まだ少し浮遊 感が残っていたので、音氣を聴いて氣を受けながら「ポンッ!!」と言ってみました。マイナスがポンッと抜けるイメージです。自分でもびっくりする程の大声量となりましたが、とてもスッキリしました。「ポンッ!!」も元の私を取り戻すスイッチになったのでしょう。
掛け声もスイッチになりますが、声の出し方や音色を変える事でもスイッチになります。掛け声よりも、もう少し心に寄り添う声の出し方になるのかな、と思います。講座 「音だまスイッチ」では、その様な事も実践していきたいと思っています。
また皆様と一緒に声を出せる日が早く来ないかと、今は待ち望んでいる毎日です。