塗料の販売をしている会社の社長は、在宅ワークになっていろいろな発見があったと話してくれた。
毎日オンラインで会議をし、取引先との打ち合わせも電話かネットですませているそうだ。
「これまでは毎日会社へ行って打ち合わせをし、毎日のように飛行機や新幹線に乗ってお得意様を回っていました。海外出張もありました。
しかし、今は電話やオンラインで十分に用が足りてしまいます。これまでどうしてあんなに走り回っていたのかと、空しく感じてしまいますね。『忙しい』とか『疲れた』といった言葉が出なくなりました」
職種によっては難しいものもあるだろうが、オンラインで代用できる仕事はかなりあるだろうと思う。
「不思議なんですが、オンラインになってスタッフとのコミュニケーションがとれるようになった気がします」
と先ほどの社長は言う。
「あちこち飛び回っていましたから、スタッフとゆっくりと話をする機会がありませんでした。スタッフの顔を見て話してなかったなと、パソコン越しにみんなの顔を見て思いました。仕事のやり方、スタッフとのかかわり方を見直すいいチャンスでした」
確かに、仕事のやり方を見直すチャンスになった人は多いだろうと思う。
オンラインで仕事ができるとわかって、東京を離れる人も増えてきたようだ。地方にいても十分に仕事ができるではないかとわかったからだ。
田舎だと生活費も安くなるので、がむしゃらに働く必要はない。通勤時間も節約できる。その分、家庭菜園をやったり子どもと遊んだりできて、とても豊かに暮らせるようになる可能性もある。
新型コロナウイルスは人が密にかかわらざるを得ない都会で広がった。人が分散するのはウイルス対策にもなる。
在宅ワークが広がることで、社会が穏やかな方向に変化していくのではないだろうか。
旅行をオンラインでというユニークな動きもある。大手の旅行会社がすでに始めているそうだ。
インターネットを通して現地の旅行ガイドとつながる。旅行ガイドが名所を案内する。参加者はそれを画面で見ながら、ガイドに質問したりして、旅行気分を味わうのだ。
中には、参加者に名所に関するグッズを送って、さらにムードを高めようという演出もあると言う。このバーチャル旅行、商品として力を入れていこうという会社もあって、これから楽しい企画がたくさん登場するのではないだろうか。
オンライン飲み会も話題になった。いろいろなことがオンラインで行われる。リアルに人と会いたいのは山々だが、こういう時期だから仕方ない。困難の中から新しい発見をしていきたいものだ。
エス・エー・エスでも、オンラインで研修講座が開催された。氣は対面であろうとオンラインであろうと、同じように届く。2泊3日という時間がなかなかとれないとか、遠いので参加できないとか、体が不自由で会場までいけないという人には朗報だっただろうと思う。
コロナのおかげで、今までの固定観念が少し壊れたかもしれない。時代はどんどん変化していく。変化をうまく受け入れ、活用していけば、可能性は広がるはずだ。マイナスをプラスに変えるトレーニングだと思って工夫をしていきたい。